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神戸のすき焼き

残り少ない鎌倉での生活。夫婦で神戸式のすき焼きを御馳走になりに伺った。ぴかぴかの新築の家に、4、50年は使ってあろう、ちゃぶ台が静かに僕たちを出迎えてくれた。

牛脂をひき、赤身の肉を乗せ、酒で柔らかくしたところで、砂糖と醤油で味を整える極めてシンプルな料理方だが、これがまあ絶品。あまじょっぱさが堪らない。満足感で他が食べれないほど。肉を食べるための理に適った調理法だ。

おんとし85歳、人生を謳歌してきた。運が良かっただけなんて謙遜するが、運も実力のうちというのはこの方を見て正しいと思った。

戦前戦後、なんでも自分達でやってきたから、自分でやる事が基本だし、それだけの経験や知識に裏づけされた地頭の良さが話しから伝わってくる。食事に対してもとても丁寧だった。

現役時代珍しかった女性カメラマンだった奥様も関西のりもあって明るく、写真の話になると真剣だ。ぶっとい芯が通った人でないとあのオーラはでない。

歴史から料理まで勉強になった。かっこつけていてはいけない。俺たちもしっかり地に足をつけ、世の中が良くなるようにやるべきことをやろう。

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