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雪の静寂

山の道具をすこしつづ揃えていると、いつのまにかBCも考慮したものになっていた。魂は、登った上に滑る方も求めているようで、小さい頃から冬はスキーやボードで遊んできた僕のルーツがそうさせるのかもしれない。

思い出すのは雪の静寂。18年間、近くにあった奥羽山脈の雪山が恋しい。それは綺麗でとても寂しい雰囲気。

夜になれば、規則的に並んだオレンジ色の街灯がスポットライトの様に、しんしんと降る雪を照らす。冷たい空気と軋む足音、息遣いのみが聞こえ、音の反射がない密度の濃い静寂があたりをつつんでいる。

上を向けば、1,026m上空にあるテレビ塔の光。その規則正しい点滅をただなんとなく見ていると、意識が心の内側にスーッと戻っていくような、なんとも言えない穏やかな気持ちにさせてくれる。

冬の侘び寂びというか。冬になると地元駅からの長い一本道を思い出す。